就職活動の方法

まあ某私大など就職熱の強い大学にいるならいいけど、そうでない場合、 就職活動のやり方が分からんってことが多いように思う。そこで、そのやり方を書く。

1:総論・学生時代編

1a:大学入試と就職活動の大きな違い

 大学入試は、極めて甘い世界である。まず高校の勉強がそのまま結果に結びつく。 学校の勉強だけでは不十分なこともあるが、それでも学校の勉強がかなり基礎になるし、 大学受験ビジネスは極めて発達しているので、そういうところに頼ることもできる。 また入試の結果は、模試の成績であらかた予想できる。A判定やB判定ならおそらく受かるだろうし、 D判定やE判定ならおそらく落ちるだろう。たぶん、誰でもC判定ぐらい取れる大学があるだろう。 で、A~C判定を取った大学で選んだらまあ普通に進学できる。 また、一回ぐらいなら浪人も許される。

 就職活動は、そんな甘いものではない。大学の勉強は全くと言っていいほど結果に結びつかない。 対策を別に立てることもできなくはないが、就活ビジネスは未だに不十分である。 採用試験の結果は大学入試以上に予想できる。はっきり言って、「落ちる」と予想したら殆ど当たる。 全社E判定の状態で受けて、運良く受かったところに行くのが就職活動というものである。 また浪人は許されないため、大学入試より数段苦しいものになる。

 他に大きな違いをあげると、大学受験は「フェアな世界」、就職活動は「アンフェアな世界」である。 ルール違反の汚い手を使わないと就職活動は成功しない。結局就活で勝つのは、 汚い手を巧妙に使い、その汚さを採用側に悟られなかった人間である。

1b:学歴差別の現状

 学歴差別は、今でも全くないわけではない。どの程度学歴差別があるのか?

 まずトップにくるのは東大であろう。しかし現実は、一部の学閥企業を除いて 京大・一橋・慶應・早稲田と殆ど差はない。ただ慶應に関しては、卒業生と在学生の結びつきが強く、 就職熱も強いため、色んな情報が入りやすく、就活のやり方が分からないということも少ない。 この点で東大に勝っており、東大閥の企業を受ける時のデメリットをほぼ補っている。

 関東では、東早慶>マーチ>日東駒専の順であるが、だいたい「>」一つで 面接1回分得するぐらい(≒合格率2倍ぐらい)と考えてよいだろう。 近畿では、京大・同志社>関関立>産近甲龍ってところか。 東大・京大以外の旧帝大は、早慶とマーチの真ん中ぐらいで同志社並といったところ。 また、関東圏の大学の方が、近畿圏の大学より若干有利ではあるが、さほど気にするほどのものでもない。

1c:学生時代はバイトか運動系サークルに精を出すべし

 社会ははどこも集団行動の場。だから採用側は、集団行動の経験が豊富で、 集団行動に適応できる能力があるかどうかを見たい。 チームプレイの要求される実験を行うような専攻であったら問題ないが、 そうでない場合は、集団行動に適応してきた何らかの証拠を見せる必要がある。

 集団行動の経験があると、少し話を誇張するだけで集団行動に適応できるとみなしてくれる。 そのためにはバイトやサークルに精を出すのはやむを得ない。ただサークルの場合、 学問系サークルのような個人行動の集合体では辛い。集団でないと100%成立しないような 活動をやるサークルに入るか、バイトに精を出すかにすべきである。

 バイトに精を出すことに警戒感を示す人は多いけど、バイトに精を出さない人間は 就職しにくいのがこの世の現状。長い目で見たら自分のためにならないかもしれないが、 この狂った日本社会は、真面目に学問をやる人間よりバイトに精を出した人間を評価するから、仕方ない。

2:採用選考を受けるまで編

2a:最初はどれぐらいの会社を考えてみるべきか?

 後述するが、採用選考を受けて内々定に至る確率は1割程度。 ただ、向いている業種かどうかで数字は変わってくる。 向いていない業種であれば30社受けたところで全部落ちるし、 向いている業種であれば2~3割は内定取れるかもしれない。 ただ厄介なのは、どの業種が向いているかは採用側の判断することであって 学生に判断する権利などない。結局、どの向いている業種に当たるかどうかは「博打」である。

 なので、結局は全ての業種を考え、説明会などに参加していくのが望ましい。 ただし、採用選考を受ける業種はもっと絞った方が良い。

2b:自己分析より他己分析

 就活といったら自己分析、ってよく言われる。でも、「自己」ぐらい誰でも一瞬で分析できる。 少々自身がなくても、応募書類を5枚も書いたら十二分に分析できる。 しかし、当然ながら「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の像は異なる。 採用側が見るのは、「他人から見た自分」の方。それを元に、きちんと「他人から見た自分」の分析が できているかどうかを見る。ということで、自己分析より、他己分析をしてもらう方が大事である。

2c:リクナビ・日経ナビ・毎ナビなどは単なるプレエントリー簡略化ツール

 就職活動をする際、最初に行うのは「リクナビ」など、 就職情報サイトに登録することである。そこから、会社を検索して、 プレエントリー(説明会情報請求・応募書類請求などの意味がある)をすることになる。 もちろんリクナビを使わなくてもプレエントリーできるが、使った方が簡単になることが多い。 しかし、就職情報サイトから得られる企業情報は決して全てではない。 企業の情報は、企業のシートを見たり、企業に出向いたりして得るべし。

2d:会社説明会はつまらんかっても参加すべし

 リクナビに登録すると、説明会の情報がメールで送られてきたりする。 しかし説明会に行っても、何のことか分からん説明会も多い。でもだからと言って足が遠のくと 後で痛い目に逢う。実は企業説明会の出席率が採用に関係するし、 説明会の出席をもって初めて採用選考が受けられるという場合も多い。 「説明会の出席如何は採用と関係ありません」という決まり文句は大嘘。 さらに言うと、選考にもろに関係するため、選考会のつもりで赴く必要がある。

 あと重要なのは、「説明会参加後にお礼の手紙を送る」こと。 就職活動は、どの企業でも異常に競争率が高い。超売り手市場などとマスコミで言われるが、 これはせいぜい「例年は100人募集のところに10000人も受けてくれるのに、 今年は5000人ぐらいしか受けなさそう」程度のものである。それ以前に、売り手の企業など実は珍しい。 こんな状況だから、最初に落とされるのは「目立たない普通の人間」である。 とにかく人の何倍も派手に目立つ必要がある。

2e:こちらから積極的に会社に発信すべし

 世の中、「正式の採用選考で点数つけてフェアに上から取る」企業なんて珍しい。 何となく気に入った奴を気まぐれで取って、目立たん奴を気まぐれで落とすのが企業の採用活動である。 とにかく内定を得るためには、「派手に目立つ」ことが重要である。そのためには、 数多くの会社の社員と逢い、そのコネを通して好印象を持ってもらうのが有効である。 就職活動はアンフェアな世界であり、ルールなどない。どんどん派手にルール外の手を使うべきである。

 普通、志望企業に知り合ひがいないのは当然であると思う。 でもそこでOB・OG訪問を諦めるべきではない。たぶん、同じ大学の人ならいるはず。 志望企業の人事部に手紙を送って、OB・OGを紹介して下さいと頼むのが本筋。 この際も、専門に捉われるのは禁物。自分の専門なんて、就活の上では殆ど何の関係もない。

 あと注意点としては、会社の人は全員人事と繋がっている。「自分は人事と関係ない」と 宣言する人も多いが、そんなの殆ど大嘘である。だから、会社の人と逢う際には採用選考のつもりで臨むこと。 あと、会社の人と話をした後は、必ずお礼の手紙を送ること。

 その他、気付いたらもう採用が終わった企業とかもあるかもしれないが、 そういう場合も人事部に手紙送ったら取り合ってくれる場合がある。

3:採用選考編

3a:最終的に受ける会社の数は?

 ある企業を受けて内定取れる確率は、基本的に「1割」と考えてよい。 まあ、野球の打率なんかより全然低い。10社受けたとしたら、 2社は書類で落ちて、4社は一次面接で落ちる。その後も少しずつ落とされて、 最終面接まで残れるのが2社。で、内定取れるのが1社。 東大・京大・一橋・慶應・早稲田であればこれが相場。勿論他の大学ならこれよりきつくなる。

 内定率は、時が立てば立つほど上がる傾向にある。 言い換えたら、最初のうちは勝率1割未満ということ。最初の10社ぐらいは「捨て駒」と考えるべし。 結局、どうしてもニートになりたくないなら最低30社は受けるべし。

 あと重要なのは、できるだけ幅広い業種を受けること。向いているかどうかは 採用側の判断すること。全ての会社を受けられるわけではないし、ある程度は業種を絞るのも やむを得ないが、お互いに関係の薄い3つ以上の業種を第一志望ぐらいの感覚で臨むべし。 他には、ある会社を受ける時、ライバル会社も必ず受けるのが重要。 ライバル会社の選考状況は必ず聞かれるし、それにある業種を狙う場合、 その業種の会社は全て受けることが当然とされている。

3b:採用選考の進み方は?

 まず、一般的な採用選考の進み方を述べる。

 とりあえず応募書類を提出する。ここは8割方通過する。 で、面接を1~10回(平均2~3回)やる。1回毎に合否が決まり、だいたい半分ぐらいの確率で落ちる。 実際には筆記試験(数学・国語・性格検査の3本立てが一般的)がどこかに入る。 どこに入るかは会社によってまちまち。これら全ての面接&試験をクリアして初めて内々定となる。 基本的に敗者復活はない。1回落ちたらそれで終了である。

 結果であるが、一般的に合格したら電話(非通知)で来る。 落ちた場合は、何の連絡もなく無視されて終わり。結果が来る時期は、 書類審査の場合遅いこともある。しかし面接や筆記試験の場合、翌日までに来るのが一般的。 翌日までに来なかったら、8割方落ちたと考えて間違いない。 また最終面接(最終でも半分ぐらい落とされる)に関しては、即日結果を言い渡されることも多い。

 ただ今まで書いたのは、あくまで正規の採用選考の場合。実際には裏口採用もある。 就活の世界では、表口から入るのも裏口から入るのも全く差がない。 それどころか、裏口からしか内定を出さないような会社もある。 裏口入社の方法を極限まで探ることも重要となる。

 とりあえず、面接後は必ずお礼の手紙を送ること。これは必須。 あと、積極的に数多くの社員と接触するのは裏口入社の可能性を高めるのに有効である。

3c:応募書類・面接では自分を嘘で塗り固めるべし

 とにかく内定を得るためには、「派手に目立つ」ことが重要である。そのためには、 数多くの会社の社員と逢い、そのコネを通して好印象を持ってもらうのが有効である。 就職活動はアンフェアな世界であり、ルールなどない。どんどん派手にルール外の手を使うべきである。

 会社の人には、「ありのままの自分を出したらいい」ってよく言われるが、これはただの罠。 採用側としては、ありのままを出してくれたら落としやすい、ってのが本音。 一方、ばれない嘘なら、いくらついても問題ない。そもそも面接終わってから裏を取ろうとする暇な企業はない。 ただ、ばれる嘘は相当印象が悪い。自分の演技力に合った嘘をつくのが肝要。

3d:志望職種は複数用意すべし

 自分がどの職種に向いているかは、採用側が決めること。こちら側は希望を言ふ権利はあっても、 人事側にその要望に答える義務はない。むしろ、自分の希望していない職種になると予想して、 幅広い職種の話を積極的に聞いていった方が良い。

 採用側の欲しがるのは、特定の職種で才能を発揮できる人間よりも、 様々な職種に対応できる人間である。面接でも、「@@職がやりたい」と希望を伝えると、 「@@職以外やとどんなことがやりたい?」と必ず聞かれる。志望職種は複数必ず用意すべし。

4:参考サイト

このページで、色々厳しいことを書いてみたけど、
http://ameblo.jp/furuido/
には、もっと厳しいことが書いてある。でもこれが現実。